肺がん新薬ザーコリが効きにくくなる仕組みを、金大附属病院がん高度先進治療センターが解明した。この肺がん新薬ザーコリはがんを小さくする高い効果があるが、治療開始から1年前後で効かなくなる問題があった 。しかし、既存の抗がん剤を併用することで効能を維持できる可能性が発見されたことで、再発を防ぐ治療法の開発に向けた一歩となりそうだ。

研究されているのは、国内で2012年5月末に販売が始まった治療薬「ザーコリ」(一般名クリゾチニブ)。体内のがん細胞に関連した特定の分子だけを攻撃する「分子標的薬」の一種で、がんを増殖させる未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子の働きを阻害する”肺がん特効薬”だ。この遺伝子を持つ肺がん患者には、非常に高い治療効果が現れることが分かっている。

今回の研究では、ザーコリの効果が落ちる原因として、ザーコリによってALK融合遺伝子の働きを止めた後も、 がん増殖に関わる「上皮成長因子受容体(EGFR)」に正常細胞から分泌される特定の物質が結合することで、 がん細胞が生き延びてしまうことを解明したのだ。

試験管内やマウス実験では、新薬ザーコリの効能が薄れても、 肺がんの分子標的治療薬「エルロチニブ」や、 大腸がん治療に使われる「セツキシマブ」を併用すると、がんが縮小することも確認された。

日本人のがん死亡原因の1位である肺がんは、年間約7万人が亡くなる。 肺がんに悩むがん患者に、ザーコリの効能を継続させるさらなる研究が期待される。

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