乳がん患者の20人に1人は手術不要でがん克服が可能になりそうだ。

乳がんでの乳房摘出手術を受ける前に遺伝子検査を実施することで、 手術をしなくても治るタイプの乳がんの見極めることが可能になったのだ。

手術が不要なタイプの乳がんを見極める遺伝子は、 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の研究チームが発見した。

乳がん組織の中にたんぱく質の1種である「HER-2たんぱく質」が多く、ホルモン療法が効かない乳がん患者群に見られる特色として、「HSD17B4」という遺伝子の働きが抑えられていることを発見した。この特徴のある患者には、手術よりも抗がん剤による化学療法が非常に有効に作用したのだ。 乳がん患者群は全体の10~15%を占めており、切除手術が不要で治療可能なのは5%程度と見込まれている。

つまり、日本で乳がんと診断される約9万人のうち、5千人前後は手術を回避したままに、治療治癒が可能となるのだ。

乳房の切除手術は体力的なダメージだけでなく精神的なダメージも大きい。そのため、手術の有効性を判断できるマーカーを特定した意義は大変に大きいのだ。

今後は、ステージ1~3の乳がん患者200人を対象として、約30箇所の病院で2年を掛けて、臨床試験を継続し、2021年の実用化を目指している。それと並行して、他のタイプの乳がんや卵巣がんへの応用も模索される予定だ。

がん患者自身の免疫細胞を対外で増強/培養する新しいがん治療技術が開発された。

既に、がん患者から採取した免疫細胞を体外で増殖させた後にがん患者の体内へ戻すがん治療法は開発済だ。しかし、実施している一部の高額医療機関では200~300万円もの費用がかかるに もかかわらず、疲弊した免疫細胞を戻しても、十分な治療効果は得られないとさ れていた。そこで、新しい治療法では、患者本人の免疫細胞を若返らせつつ増殖培養するこ とで、治療効果を高めることを狙ったのだ。

以前の免疫細胞療法では、がん細胞との戦いが続くとキラーT細胞が疲弊してしまい、その攻撃力や増殖力が弱まってしまうことで、 弱まった免疫細胞を培養しても弱い免疫細胞しか増やせないことが問題だったのだ。

そこで新治療法では、疲弊した免疫細胞(キラーT細胞)を培養する際に、 同時に免疫細胞の発生を助ける作用のある細胞と一緒に培養することとした。 これによって、疲弊した免疫細胞(キラーT細胞)が、 外敵の情報を記憶したばかりの増殖前の状態に戻ったのだ。さらには、免疫細胞(キラーT細胞)の寿命が延び、 外敵が出現した際の増殖能力も高くなったのだった。

この新がん治療法を開発したのは、慶応大学の微生物・免疫学研究グループだ。 生物実験では、若返らせた免疫細胞(キラーT細胞)を、がん細胞(リンパ腫)が移 植されたマウスに注入した結果、がん細胞の増殖が抑えられ、生存期間が延びた ことが確認されている。

今後は、がんを外敵として認識したキラーT細胞を選択的に採取できる技術を確 立することが課題とされている。

胃がん、食道胃接合部がんの抗がん剤治療に供する新薬の臨床試験に関して、良好な結果であることが報告された。近い将来の新らしい特効薬へ期待が高まっている。

抗がん剤新薬は、キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)。米国のMerck社が開発し、臨床試験を実施中だ。

新薬の臨床試験は、2回以上の前治療歴のあるがん患者を対象して単独療法で実施された。結果は良好で、効果が確認されただけでなく、効果の持続も報告されている。

新薬キイトルーダは、胃がん、食道胃接合部がん だけでなく、 食道がん、大腸がんにも有望な新薬であり、それぞれに臨床試験が開始れている。

数年内に有望な抗がん剤新薬として治療に使うことができる可能性は高いと見られ、がん患者の期待は大きい。

小児がんの治療に劇的な効果が期待される抗がん剤新薬が開発される目処が立った。

小児がんに多いがんの一種の神経芽腫は、10万人あたり2.5~5人に発症する。 神経芽腫の患者の 90%が10歳未満であり、発症年齢が高いほど予後が悪い。 高リスク神経芽腫の5年生存率は、 化学療法、免疫療法を組合せても50%程度とされている。

この小児がん(神経芽腫)のがん発生メカニズムの根幹遺伝子について、名古屋大学の研究グループが効果的な新薬開発が期待される大発見をした。

初めに、研究グループはがん化初期の細胞を選択的に培養できる技術を開発した。次に、この新しい培養法で獲得した「がん化初期の細胞」を詳細に遺伝子解析した。そして、「がん化初期の細胞」の中の原因遺伝子と見られる「ポリコーム抑制複合体2(PRC2)」を特定した。このPRC2が発がんに強い関連性を有しているのだ。

一方、神経芽腫患者から集めた約500例の遺伝子解析に照らすと、 PRC2によって制御されるターゲット遺伝子の発現が、神経芽腫の悪性度へと繋がっていると結論されたのだ。

だから、神経芽腫の治療にはポリコーム抑制複合体2(PRC2)を特定し攻撃する薬を開発できれば、著しい薬効が強く期待できるのだ。この新薬は、近年の抗がん剤新薬のトレンドとなっている「分子標的薬」である。

ちなみに、日本には2014年次点で20歳未満の神経芽腫患者が、162名も登録されていた。早急な神経芽腫用の特効薬が待たれる。

胃がん治療に新しい抗がん剤が承認された。

新しい抗がん剤は、体内の免疫細胞の働きを利用した新しい仕組みの抗がん剤で、患者自身の免疫機能を高めることで、体内のがん細胞を攻撃し治療する。

厚生労働省の部会が承認したことで来月10月からは"胃がん特効薬"が”自由診療”ではなく”保険治療”の範疇で治療投与できるようになる。

待望の胃がん特効薬の名前はオプジーボ(ニボルマブ)。
既に皮膚がん、肺がん、腎細胞がんなどに対する特効薬として大きな成果をあげており、治療対象が胃がんへと拡大された形だ。

しかしながら、保険適用での治療条件は厳しい。これは  オプジーボの薬価が年間3600万円と高過ぎるために保険財政の破綻を恐れて対象を絞っているためだ。

保険費用で胃がん特効薬を利用できる患者は、国内の胃がん患者約13万人の内の数千人のみ。

現状の適用条件は、「2種類以上の抗がん剤治療を実施済み」でも効かず、「 手術切除が不可能」な胃がん患者が適用の対象とされている。

保険財政の困窮も大事だが、救える命は救って欲しいものだ。

がん(癌)もいづれは克服される病気に違いない。それだけ日夜に世界各国で新しい抗がん剤や治療法が開発され続けている。

米国研究製薬工業協会(PhRMA)が、取り纏めて発表した抗がん剤の開発状況は闘病中のがん患者と家族に勇気をもたらすだろう。多くの新薬が臨床試験でも最終段階を迎えつつあり、近い将来に新薬として”利用可能”となる可能性が示されたのだ。しかも、これらの抗がん剤新薬は300種をゆうに超え、それぞれが「劇的な効果」をもたらすというのだ。

米国研究製薬工業協会によると、世界で開発が臨床試験段階にまで進んでいる新薬は9404プロジェクトある。 
その内の74%が「画期的新薬」になる可能性があるとされている。 さらに抗がん剤の新薬に限っても4000件以上のプロジェクトが鋭意進行中なのだ。

治験は進行段階によって3段階に分けられるが、それぞれに画期的新薬となり得る可能性のプロジェクトの数も併せて報告されている。その数は、

  • フェーズ1の3723プロジェクトのうち3073プロジェクトが画期的新薬候補(83%)
  • フェーズ2の4424プロジェクトのうち3205プロジェクトが画期的新薬候補(72%)
  • フェーズ3の1257プロジェクトのうち 671プロジェクトが画期的新薬候補(53%)

となっている。
全世中が人類の英知を結集して、6949件もの"画期的新薬"の開発が進行中なのだ。

“近い将来”の劇的な効果のある抗がん剤新薬の登場が待たれる。

大腸がんや膵臓がんの治療に有効な新薬が開発中だ。「クルクミン」と呼ばれる成分の抗がん採用に注目した抗がん剤新薬の開発が進んでいるのだ。

注目の抗がん成分「クルクミン」は、おなじみの健康食品である「ウコン」の主成分だ。 「ウコン」はカレーの黄色を出す香辛料のターメリックとして有名だが、酒酔い予防の健康ドリンクとしても定着しつつあるので既に馴染み深い成分とも言える

実は、この「クルクミン」の抗がん作用は今までも注目されてきた。

しかし、クルクミンは一時に大量摂取しても有効成分の大半がすぐに排せつされてしまうために、 血液中の濃度が高められず、成分の持つ効果が発揮され難いという問題があったのだ。

そこで、京都大のチームがクルクミンの抗がん作用はそのままに、クルクミンの化合物を新しく生成することにした。 体内に留まって排せつまの時間を稼ぎ、体内で有効成分に変わるクルクミンの化合物を合成したのだった。この結果、体内の血中クルクミン濃度が従来の約1000倍に高められ抗がん作用を高めることができるようになった。

この京都大の研究チーム(掛谷 秀昭 教授:天然物化学)によるクルクミン化合物は、 既にマウス実験が実施され、がんの進行抑制に著しい効果が確認されている。

クルクミン化合物のマウス実験では、人の大腸がんを移植したマウス8匹にクルクミン化合物を注射された。 3週間後には、治療していないマウスに比べて、クルクミン治療のマウスは腫瘍が半分以下に小さくなったのだ。 副作用も確認されていない点が評価されている。

大腸がんや膵臓がんへの新薬の開発が期待されるクルクミン化合物の成果は、日本臨床腫瘍学会で発表される予定だ。

米国のロバートHルリーがんセンターが、発見したすい臓がんに効く食品は、「ナマコ」。

ナマコは英語で”Sea cucumber”つまり「海のきゅうり」と呼ばれるが、日本では中華料理の食材として知られている。

中国では何百年も前からナマコを漢方薬として利用してきたが、その効果は関節炎や炎症性疾患、頻尿、強壮(ED)だった。

米国での実験では、 膵臓(すいぞう)がんのがん細胞に、ナマコのエキスを掛けたところ、がん細胞の増殖が止まっただけでなく、 5分以内にがん細胞が全て死滅したのだ。

また、乳がんの細胞に対しては、ナマコが免疫システム中の細胞を活性化して、乳がん細胞を攻撃することが確認された。

これらの実験によって、ナマコのガン治療への効果が判ったのだ。

これらの抗がん効果は、ナマコに含まれている「フロンドシドA」という成分が有効であると判った。ナマコのフロンドシドAは、 95%の乳がん細胞、90%の黒色腫細胞、90%の肝臓がん細胞、 88%の肺がん細胞を死滅されることが実験で確認されており、副作用も無い。

現在では、ナマコの抽出液はサプリメントとして、液体や粉末化されて抗がん剤治療に利用されている。

がんの転移を防ぐ物質が発見され、既にマウス実験ではガン転移をほぼ完全に抑える薬効が確認された。

がんは原発臓器から血液に乗って他の臓器に転移してしまう。乳がん,大腸がんが、肺や骨に転移してしまうのが、典型的なガン転移だ。

しかし、がん研究会がん化学療法センターが がんの転移を防ぐ化合物を開発した。

がん細胞が身を隠して別の臓器に移る仕組みを突き止め、発見した化合物の作用によって、ほぼ完全に抑え込む実験にマウスで成功したのだ。今後は新薬を人間の体内でも働くよう改良し、5年後を目処として、がん患者への臨床試験(治験)を開始する予定。

がん治療の画期的な新薬発見となる可能性が高く期待が高まっている。

小児がんに対する新しい治療法の治験が始まる。

ペプチド療法は、免疫力を利用した新しいがん治療法で、手術、放射線、抗がん剤に続く、第4のがん治療法への期待が高まっている。

今回の治験は、小児がんへのペプチド療法の効果を検証するため、3種類のたんぱく質断片(ペプチド)を混ぜて薬剤として小児がん患者へ投与し、約1年かけて重い副作用がでないかどうかを確認する。副作用が少なく、治療効果が確認できれば、延命効果を確認する治験の第2段階に移る予定だ。

子供を対象にした免疫療法の臨床試験(治験)は、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で実施される。