ベータグルカン健康食品研究序説
ベータグルカン臨床試験の可能性
ベータグルカンが持つ免疫力の強化機能や抗がん作用は、多くの文献で繰り返し検証されており、もはや周知の事実だ。しかし、ベータグルカン(βグルカン)の効果効能を医薬品として、治験をクリアした製品はまだ無い。おそらく今後も無いだろう。
ベータグルカンを抗がん成分とする抗がん剤が出ない理由は、費用と時間の掛かる大規模な治験・臨床試験の費用を負担できる組織・期間が無いからだ。これは、ベータグルカンの存在や抗がん効果が既に公知であり、関連する特許も多くの企業が分散してもっているために、医薬品承認の恩恵を独占できる企業が無いからだ。大金を掛けてまで治験を行うには、製薬会社の将来の利益独占が大前提だからだ。
また、医学部、薬学部でも開発済みの成分に時間と人員を割く理由は、研究費目的の企業お抱え実験以外には意欲は無いはずだ。
ベータグルカンが、多様な病気に、時にはがん、糖尿、肝炎、高血圧に対してまで、奇跡的な効果作用を持つことは、歴史的・科学的に既に多くの世界中の人が知っている。当り前の抗がん作用で既存の成分であるベータグルカンの効能を、大金を自腹で確認したい企業組織は出ないだろう。それほどに、ベータグルカンの効能は、一般化常識化してしまっている。
医薬品承認が取得できるレベルの臨床試験の規模は、かなり大規模かつ時間が必要なのだ。製薬会社が高額な費用と時間と人員を負担=投資するのは、その新薬/成分が独自開発した新規の物質/成分だった場合の将来の莫大な利益の独占が目的だ。 しかし、ベータグルカンに関しては、既に効能が知れ渡っており、製品も世界各地に普及してしまっている。この状況に至っては、治験費用を負担するだけの利益を確保できる人も企業もいない。
高純度化されたベータグルカンの代表格である「パン酵母原料のベータグルカン」に関しては、世界的に普及が進む中でついに米国で抗がん剤としての臨床試験が企図された時期もあった。 しかし、パン酵母抽出のベータグルカンは、現在の高純度化される過程で多くの特許技術が乱立交錯しており、多く企業間で特許紛争が継続している。この状況下では、大規模な治験が実施される見通しは薄い。
患者,消費者としては、効果が既知であるベータグルカンが、一握りの企業に独占されて高騰するよりも、広く普及することで、より多くの会社から多くの製品が出て競争され、質の良い製品がより安く供給されることの方が望ましいかもしれない。
競争原理が働くことで、自動的に製品の健全性が保たれるだろう。品質は向上しながら、価格は低下安定するに違いない。 とすると、ベータグルカンの治験と医薬品承認は価格の高騰を招き、企業の利益には繋がるが、患者,商品者にとっては不要な手続きなのかもしれない。
[an error occurred while processing this directive]ベータグルカンは低純度のキノコ製品も、高純度のパン酵母抽出の高純度品もそれぞれに多くの企業が多くの商品を製造販売している。その意味では、競争は健全に機能していると言える。あとは、価格と品質に満足できるベータグルカンのサプリメントを自己責任で選ぶだけだ。