ベータグルカン健康食品研究序説
ベータグルカンという成分とは
ベータグルカン(βグルカン)とは、健康食品に含まれる免疫活性化の効果が期待される成分だ。
ベータグルカンは、がん患者の治療に用いられることが最も多いが、糖尿病、高血圧、肝炎、メタボリック治療にも効果を発揮する。商品としては、古くはアガリクス、最近ではハナビラタケやパン酵母ベータグルカンの健康食品が多く販売されている。ベータグルカンが体内のマクロファージをはじめとする免疫細胞を活性化することで、全身のがん病巣への免疫攻撃が実施されることでがん細胞が縮小、消滅する。そのためがんの治療だけでなく、予防から転移防止まで利用範囲は広い。さらには、体内に発生する活性酸素を除去する効能も特筆に値する成分なのだ。
ベータグルカンの最大の長所は、副作用が無く、効果が高いところだ。ベータグルカンは抗がん剤のように がん細胞を直接に攻撃する成分ではなく、免疫細胞を介して間接的に作用するため、正常細胞に対しては全く悪影響が無い。免疫細胞は、動物が生来持っている副作用の無いがん細胞駆除システムだからだ。 免疫機能はすべての動物が体内に生まれた時から持っているために、副作用の恐れが全くないのだ。ベータグルカンは、この免疫細胞の活性度高める作用が高く、同様の効果が期待されるサプリメント・健康食品の成分の中でも、圧倒的に高い効果があることが証明されている。
昔ながら伝統的な発酵食品にはベータグルカンが含まれていたために、日常で無意識の内に吸収できることが多かった。しかし、現代ではベータグルカンは、目的意識がなければ通常の食事からは摂取することが極めて難しい栄養素になってしまった。そのため、加齢で免疫力が衰えつつある人や、がんや糖尿病を発病した人々の多くが、ベータグルカンを健康食品やサプリメントから摂取している。
ベータグルカンという成分の分子構造が把握されたのは、わずか20年前のこと。それまでは、何が効くとか、なぜ効果が有るという内容を知らないままに、ベータグルカンという成分が入った食品や健康食品を病気治療に利用してきたのが、歴史的な奇跡回復の多くの事例だ。その典型例が漢方薬だが、"きのこ"を煎じて飲む薬が多いのは、ベータグルカンの薬効範囲の広さを物語っている。これらの薬が有史以来数千年もの永い期間に多くの人に利用され、効果を発揮してきた。その効果の源泉が、ようやく解明され、ベータグルカンという成分名称が脚光を浴び始めたのだった。
ベータグルカンという有効成分が特定されたことで、漢方薬だけなく、きのこ原料の健康食品も、酵母から抽出されたベータグルカン健康食品も、効果効能の範囲が拡がり、注目を集め続けている。
そして、ベータグルカンの計量精度が上がったことで純度比較、すなわち製品の優劣が数値化できるようになった。ベータグルカンの高純度化の技術革新は1990年代に飛躍的に進化し、2000年を過ぎてからは、80%を超えるような非常に純度が高いベータグルカン健康食品が一般に市販されるようになってきた。
[an error occurred while processing this directive]質の高いベータグルカンは、少量でも効率良く吸収することが容易になり、病院でのがん治療に併用する「代替療法」の代表的な取組みとなっている。